県指定天然記念物。関東地方最大のシダレザクラ(エドヒガン)で、推定樹齢は500年といわれています。開花時は紅色が濃く、満開時は純白。天元元年(978年)に道珍法師によって創建された般若院。当初は龍ケ崎市貝原塚町にありましたが、大永四年(1525年)に現在の場所に移されました。ご住職によると、シダレザクラはお寺が現在地に移転した際に植えられたものとのこと。ご住職が子供の頃には樹齢450年と伝わっていたそうです。御本堂に案内していただき、昭和30年に撮影されたという写真を見せていただきました。その写真にはサクラの前に池が写っています。昔はその池に舟を浮かべてお花見を楽しんだとのことです。また、当時は今よりも枝ぶりが良く、もっと樹観も素晴らしかったそうです。池のあたりから手前は現在墓地ですが、意外にもこの頃お墓は無かったとのこと。関東地方のシダレザクラとしてはまぎれもなく最古木であり、今なお樹勢が豊かな至宝のサクラです。『茨城懸巨樹老木誌・下巻』(関右馬允・昭和15年)には、約百年前に撮影された写真が掲載されています。当時の樹勢とほぼ変わらない状態で存在している現在のサクラ。これは南側の大きな本堂と北側の墓地に囲まれた環境から、強風から守られていることもひとつの理由だといわれています。 また、専門樹木医により適切な診断と手当がなされ、枝を守る支柱の設置も大きな理由といえます。まさに桜守によって維持されているのです。
※一般的なシダレザクラの品種はエドヒガンです。枝が垂れるという違いだけです。紅色が濃いものをベニシダレザクラといいます。お彼岸に満開になり、江戸に多く植えられていたことから江戸彼岸と名付けられました。寺院にある天蓋や瓔珞に見立ててシダレザクラをお庭に植えるという風習があり、茨城県では古いシダレザクラのほとんどが寺院で確認できます。神道の神社にはヤマザクラ(山の神様の依り代)が植えられてきました。こういった植え分けは約束事として受け継がれてきました。ただし、明治中期以降、ソメイヨシノの爆発的な流行と、多様な園芸品種の流通が容易になった現代ではこの約束事は忘れられました。
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