宍戸三ヶ寺のシダレザクラ。知名度の高い桜名所です。その三ヶ寺のひとつ、光明寺のシダレザクラ。開花時は濃い紅色がにじみ、グラデーションが極めて美しく、満開の後で白に変化します。宍戸地区には有名な三ヶ寺の他にもお寺があります。そちらも含めるとなんと九ヶ寺です。若木もありますが、九ヶ寺全てにシダレザクラが植えられています。中には八重紅枝垂(ヤエベニシダレ)など園芸品種もありましたが、エドヒガン系が植えられているという点に注目しています。近くの集会所や個人宅とその裏の農道沿いにも立派なシダレザクラがあります。つまり宍戸地区には11ヶ所にシダレザクラがあるということになります。
三ヶ寺は、光明寺、完全寺、唯信寺。
他に、円通寺、養福寺、高寅寺、浄乗寺、龍穏院、清水寺。
寺院にシダレザクラが植えられる風習
寺院に「彼岸桜」、つまりシダレザクラを含むエドヒガンを奉納植樹するという風習は古く、特にソメイヨシノをはじめとする人気の園芸品種が流通する明治中期頃までは、寺院にエドヒガン・シダレザクラを植樹するというのは、約束事のようなものでした。これはエドヒガンの開花時期がお彼岸であることや、しだれる枝花を本堂の「天蓋・瓔珞」に見立てて、伽藍のひとつとしてお庭に植えたのです。特に西日本や信州の古いお寺には「天蓋桜」や「瓔珞桜」と呼ばれるシダレザクラの古木が現存しています。そして神社にはヤマザクラが植えられてきました。植え分けの風習です。
尚、これは推測ですが、宍戸三ヶ寺の光明寺や完全寺のシダレザクラは、県内各地のシダレザクラよりも紅色が濃く、これは三春滝桜のベニシダレ系統ではないでしょうか。といいますのも、1645年、常陸国の宍戸城主であった秋田俊季が、陸奥国の三春へと転封(領地替え)され、三春秋田藩が成立しました。例えば秋田家や家老のお墓が宍戸のお寺にあり、その後も三春と宍戸の交流が続き、それらの縁で、当時藩外不出の滝桜の実生苗木が渡ってきたのではないでしょうか?これは桜狂いの妄想でしょうか。
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